利益とお金の違いを把握する
利益があってもお金が残らない理由
会社が存続・成長していくためには、事業で利益を稼がなくてはなりません。
大まかに利益は、 [売上 - 費用 = 利益] で算出されます。
新聞やテレビ、雑誌による大手企業に関する話題でも、『利益○億円、利益○○%アップ!』というように会社の利益についてクローズアップされることが多いかと思います。
しかし中小企業では、「利益は出ているのだが、お金がない。」とお悩みの方が非常に多くいらっしゃいます。そういった方々は「利益が出ているんだから、当然その分お金も残っているはずなのに・・・。」と考えます。
お金はどこにいってしまったんだろう?と探しても見つかるはずもありません。
なぜなら、 [会社の利益 = 会社に残ったお金] ではないからです。
■ 見えないお金
では、借入金の返済を例に挙げてみましょう。
売上が 100 で費用が 80 (いずれも現金決済)、借入返済を 40 した会社を考えてみます。
この場合、利益は [売上 - 費用] で計算されますので、
| 売上 | 費用 | 利益 | ||
| 100 | - | 80 | = | 20 |
しかし実際のところお金は、収入額 100 に対し正味の支出額は、費用としての 80 に借入返済の 40 が加算されます。
| 収入額 | 支出額 | 差し引き現金 | ||||
| 100 | - | (80 | + | 40) | = | △20 |
すなわち、利益は 20 出ているにもかかわらず、現金は逆に 20 のマイナスとなっているのです。これを図に表すと以下のようになります。
図.1 利益とお金の違い
ここで重要なのは、『借入金の返済は費用にならない』ということです(※利息は費用となります)。なぜなら、借入返済という行為自体が、直接売上の増加に貢献するものではないからです。『借入時の受入額は収入に計上しない』といえば、わかりやすいかもしれませんね。
こういった利益とお金に違いを生じさせる取引はたくさんあります。
(例)
- 売掛金や買掛金等の信用取引
- 商品の過剰仕入れ
- 多額の設備投資
■ お金の流れは大切な生命線
『お金の流れ』は人間で例えれば『血液の流れ』と同じです。血液がキチンと循環していれば健康ですし、逆に血液の流れがつまったり不足したりすると、即生命に危険を及ぼします。
会社にとってもお金の流れは生命線ですので、このお金の流れをしっかりと把握できるか否かによって、会社の財務体質(健康状態)はガラリと変わってきます。
なお、こういったお金の流れを重視する経営を 『キャッシュフロー経営』 といいます。当会計事務所では、キャッシュフロー経営について、お客様にわかりやすくご説明し、資金繰りに困らない健康な会社づくりの支援をしていきます。
