少額減価償却資産の損金算入の特例について
平成15年度に創設された少額減価償却資産の損金算入の特例にについて、
・特例期間の2年間の延長
及び
・ 損金算入限度額の創設
が平成18年度の税制改正で盛り込まれました。
【少額減価償却資産の損金算入の特例とは】
資本金1億円以下の中小企業において、30万円未満の減価償却資産を取得した場合、 その全額を即時に損金算入できるという制度です。
通常は取得資産の耐用年数(例: パソコン4年)において、少しずつ損金算入(費用化)していくのですが、 この制度を活用することによって、早期に多額の費用を計上することができ、節税等による資金の内部留保が可能となります。
【改正内容】
今改正では、 これまで合計額に制限がなかったのに対して、
年間300万円まで
という制限規定が設けられました。
この制限規定は、 中小企業庁が中小企業の実態を調査した際に、
特例を利用した企業の約9割が300万円以下であった
という結果が報告されたことを踏まえて、 設けられたとのことです。
お役所間は、 あまり仲が良くないというのが常だと思うのですが、こういった場合には連携プレーを見せるんですね。。。
〔比較表〕
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個々の金額判定 |
合計額の判定 |
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改正前 |
30万円未満の資産について即時に損金算入が可能 |
制限なし |
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改正後 |
同 上 |
年間合計300万円以下 |
【適用時期及び留意事項】
平成18年4月1日から平成20年3月31日までの間に取得したものに対して適用されます。
したがって、平成18年3月31日までに取得した資産については、従来通り、 合計額の制限を受けることはありません。
では、6月決算法人の場合はどうなるでしょうか?
例えば
・H17.7~18.3までに取得した少額減価償却資産の合計額: 800万円
・H18.4~18.6までに取得した少額減価償却資産の合計額: 400万円(>300万円)
の場合には、
800万円 + 300万円 = 1,100万円
が特例適用の限度額となります。
また限度額は、“300万円を超える場合には一律300万円”というものではなく、 特例対象資産の選択によってその額が変わってきます。
例えば、
28万円のパソコン12台: 計336万円
22万円のパソコン10台: 計220万円
を取得した場合には
28万円のパソコンのみを少額減価償却資産の対象とすると
28万円 × 10台 = 280万円
が限度額となりますが、
28万円と22万円を組み合わせれば
28万円 × 9台 + 22万円 × 2台 = 296万円
となり、後者を選択した方が有利となります。
【今後の減価償却制度の動き】
日本の減価償却制度については、従来、 経済界から批判の声を浴びせられてきました。
というのも、 欧米の諸外国が取得価額の100%を損金算入できるのに対し、日本では95%までしか損金算入できなかったことや、 耐用年数区分が他の諸国に比べてかなり複雑だった(機械装置の区分は日本が369であるのに対し、アメリカは3)ためです。
このような情勢をふまえ、現在、 減価償却制度の見直しを検討する動きが出ております。
こちらについては、具体的な方向が固まり次第、 改めてお知らせいたします。

