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2007年09月06日

分掌変更等に伴う役員退職金について


先代社長が退職し、退職金の支給を受けた後も、会長・相談役・監査役等として会社に残るケース(分掌変更)はよくあります。
 

役員に退職金を支給した場合、その分掌変更等が実質的に退職と同様であれば、 退職給与として認められるところですが、これまでの法人税法基本通達9223では、その基準として以下のようなケースを掲げていました。

 

① 常勤役員が非常勤になったこと

② 取締役が監査役になったこと

③ 分掌変更等の後における報酬が激減(おおむね50%以上の減少)したこと

  

このうち、①と②については

「実質的にその法人の経営上主要な地位を占めていると認められる者を除く」

との記載がされており、形式的な変更は認められない旨が明文化されていました。

 

しかし、③については、そのような記載が無いため、 経営上の地位は変わらないものの、報酬を半分以下にして退職金を支払うケースも多かったようです。

 

 

 

しかし、退職金の税務を争った平成1810月の大阪高裁では、

 

「通達要件を形式的に満たしていれば当然に退職給与として認められるわけではなく、あくまでも実態を見て判断するべき

 

との見解が示され、納税者側が敗訴となりました。

 

さらに最高裁でも平成19313日付けで上告棄却及び上告不受理決定を行ったことから、 大阪高裁での判決が確定しています。

 

 

これを受けて、法人税法基本通達が改正され(改正後は9232)、③の要件についても

 

「分掌変更等の後においてもその法人の経営上主要な地位を占めていると認められる者を除く」

 

とする規定が追加されました。

 

よって今後は、形式的な基準を満たしていても、 経営上重要な責務を果たしている場合には、退職給与として一切認められませんので注意が必要です。

 

 

 

                         ~健康な会社創りと事業運営を支援する~

                                杉田会計事務所

 

 

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2007年04月09日

減価償却制度の改正

 

平成19年度税制改正で、減価償却制度の抜本的な改正が行われました。

 

【改正内容のポイント】

 

1. 残存価額及び償却可能限度額の廃止

 

減価償却費を計算するにあたっては、従来、 下記のような残存価額及び償却可能限度額が設けられていました。

 

残存価額     ・・・ 取得価額の10%相当額

償却可能限度額 ・・・ 取得価額の95%相当額

 

今回の改正で、これらの残存価額及び償却可能限度額が撤廃され、 耐用年数経過時点で1円(備忘価額) まで償却することが可能となりました

 

 

この改正により、例えば100万円で取得した機械装置の償却可能限度額については、

 

改正前 ・・・ 95万円 (取得価額の95%相当額)

 

であったのに対し

 

 改正後 ・・・ 999,999 (1円まで償却可能)

 

となりました。

 

 

2. 新たな定率法の導入

 

定率法の償却率が、定額法の償却率の2.5とされました。

この改正によって、主な耐用年数の償却率は以下のように変更されます。

 

 

耐用年数

定額法

定率法(新)

定率法(旧)

3

0.334

0.833

0.536

4

0.250

0.625

0.438

5

0.200

0.500

0.369

6

0.167

0.417

0.319

8

0.125

0.313

0.250

10

0.100

0.250

0.206

20

0.050

0.125

0.109

  

改正後の定率法の償却率は、 いずれも改正前の償却率より高くなっています

これは、減価償却資産の取得後、早い段階において多額の減価償却費が計上できることを意味します

 

例えば、期首に100万円の機械装置(耐用年数5年)を取得した場合の、1年目の償却額は、

 

改正前は

100万円 × 0.369 = 369,000

 

であるのに対し

 

改正後は

100万円 × 0.500 = 50万円

 

となります。

 

 

【適用時期】

 

平成1941日以降に取得する減価償却資産について適用されます。

 

 

【平成19331日以前に取得した減価償却資産について】

 

平成19331日以前に取得した減価償却資産については、 従来どおり償却可能限度額(95%)まで償却した後、翌事業年度以後5年間で1円(備忘価格) まで均等償却ができることとされました。

 

 

例えば、取得価額が100万円で償却可能限度額(95%)まで償却した場合の、未償却残高は、

 

100万円 - 95万円(100万円×95%) = 5万円

 

となりますので、 

その後の5年間で下記のように償却していきます。

 

  1年目 ・・・ 1万円

 2年目 ・・・ 1万円

 3年目 ・・・ 1万円

 4年目 ・・・ 1万円

 5年目 ・・・ 9,999円(備忘価額1円)

 

 

【今後の減価償却制度について】

 

今回の改正は、諸外国の減価償却制度との比較の観点から、 抜本的に見直されたという背景があります。

 

しかしながら、諸外国に比べて、資産区分が複雑であったり、 耐用年数が長い、といった声も産業界等からあがっていますので、 まだまだ国際化に向けて見直す余地があるといえるでしょう。

 

なお、平成19年税制改正大綱の中にも、平成20年度税制改正に向けて

 

・ 法定耐用年数や資産区分の見直し

・  法定耐用年数の短縮特例制度の手続簡素化

 

等について検討する旨の記載がありましたので、

引き続き減価償却制度が変更されることも予想されます。

 

 

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                            杉田会計事務所

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2007年02月24日

特定同族会社の留保金課税について

  

【そもそも留保金課税とは?】

 

上場企業等においては、通常、利益が出れば、 株主に対して配当という形で還元します。

 

しかし、中小企業においては、経営者 = 株主という形態が多く、 この形態は多くの場合同族会社と呼ばれます。

 

会社が配当を出せば、株主は受け取った配当に対して課税されます。

 

しかし、同族会社の場合には、会社に利益が出ても、それを配当に回さず、 実質的に株主個人の課税が回避される可能性があります。

 

そこで、同族会社が一定以上の所得を留保した場合には、 通常の法人税とは別に特別税率で課税するという制度が設けられました。

 

これが留保金課税です。

 

 

【留保金課税の対象となる法人】

 

留保金課税の対象となる法人は、特定同族会社です。

 

特定同族会社とは、 株主本人及び同族関係者の持ち株を含めて1グループとし、上位1グループの保有割合が50%を超える会社をいいます。

 

 

【課税留保金額の計算及び税率】

 

課税留保金額は、以下の計算式で求められます。

 

課税留保金額 = 所得 - (配当 + 法人税等) -  留保控除額

 

なお、留保控除額金額は次の4つの基準のうち、最も多い金額となります。

 

 

1. 所得基準

所得等の金額 × 40%(中小法人*50%

2. 定額基準

2,000万円

3. 積立金基準

 資本金 × 25% - 利益積立金

4. 自己資本基準

 自己資本比率30%到達までの額(中小法人*のみ)

 ここでいう中小法人とは、 資本金1億円以下の法人を指します。

 

 

また、課税留保金額に対する税率は以下の通りです。

 

 

課税留保金額

税 率

3,000万円以下の部分

10%

   1億円以下の部分

15%

   1億円超の部分

20%

  

【留保金課税の算定図】

  

所    得

配 当

 

法人税等

 

内部留保

 

留保控除額

 

 

課税留保金額

留保金課税額

 

 

 

【中小法人の留保金課税制度の撤廃】

 

平成19年度税制改正によって、資本金1億円以下の法人については、 特定同族会社の範囲から除外され、留保金課税の適用が無くなりました

 

その結果、留保控除金額のうち、中小法人のみに該当する部分 (所得基準の50%部分及び自己資本基準)の取り扱いが無くなります。

 

なおこの改正は、平成1941日以降に開始する事業年度から適用されます。

 

 

特定同族会社のほとんどは、資本金1億円以下の会社ですので、この改正は多くのオーナー社長にとって、 税務上有利なものといえるでしょう。

  

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2006年07月01日

少額減価償却資産の損金算入の特例について

平成15年度に創設された少額減価償却資産の損金算入の特例にについて、

 

・特例期間の2年間の延長

    及び

・ 損金算入限度額の創設

 

が平成18年度の税制改正で盛り込まれました。

 

【少額減価償却資産の損金算入の特例とは】

 

資本金1億円以下の中小企業において、30万円未満の減価償却資産を取得した場合、 その全額を即時に損金算入できるという制度です。

 

通常は取得資産の耐用年数(例: パソコン4年)において、少しずつ損金算入(費用化)していくのですが、 この制度を活用することによって、早期に多額の費用を計上することができ、節税等による資金の内部留保が可能となります。

 

 

【改正内容】

 

今改正では、 これまで合計額に制限がなかったのに対して、

年間300万円まで

という制限規定が設けられました。

 

この制限規定は、 中小企業庁が中小企業の実態を調査した際に、

特例を利用した企業の約9割が300万円以下であった

という結果が報告されたことを踏まえて、 設けられたとのことです。

 

お役所間は、 あまり仲が良くないというのが常だと思うのですが、こういった場合には連携プレーを見せるんですね。。。

 

〔比較表〕

 

 

個々の金額判定

合計額の判定

改正前

30万円未満の資産について即時に損金算入が可能

制限なし

改正後

同 上

年間合計300万円以下

 

 

 

【適用時期及び留意事項】

 

平成1841日から平成20331日までの間に取得したものに対して適用されます。

したがって、平成18331日までに取得した資産については、従来通り、 合計額の制限を受けることはありません。

 

 

では、6月決算法人の場合はどうなるでしょうか?

 

例えば

H17.718.3までに取得した少額減価償却資産の合計額: 800万円

H18.418.6までに取得した少額減価償却資産の合計額: 400万円(>300万円)

の場合には、

 

800万円 + 300万円 = 1,100万円

 

が特例適用の限度額となります。

 

また限度額は、300万円を超える場合には一律300万円”というものではなく、 特例対象資産の選択によってその額が変わってきます。

 

例えば、

28万円のパソコン12台: 計336万円

22万円のパソコン10台: 計220万円

 

を取得した場合には

28万円のパソコンのみを少額減価償却資産の対象とすると

 

28万円 × 10台 = 280万円

 

が限度額となりますが、

28万円と22万円を組み合わせれば

 

28万円 × 9台 + 22万円 × 2台 = 296万円

 

となり、後者を選択した方が有利となります。

 

  

【今後の減価償却制度の動き】

 

日本の減価償却制度については、従来、 経済界から批判の声を浴びせられてきました。

というのも、 欧米の諸外国が取得価額の100%を損金算入できるのに対し、日本では95%までしか損金算入できなかったことや、 耐用年数区分が他の諸国に比べてかなり複雑だった(機械装置の区分は日本が369であるのに対し、アメリカは3)ためです。

 

このような情勢をふまえ、現在、 減価償却制度の見直しを検討する動きが出ております。

こちらについては、具体的な方向が固まり次第、 改めてお知らせいたします。

 

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2006年05月25日

1人当たり5,000円以下の飲食費等の損金算入

 

平成1841日以降に開始する事業年度から、1人当たり